
家具ブランドを始めた理由 / 全て語ります
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この家具ブランド「Farve」を立ち上げた私の目線で、ブランドを始めたきっかけや今後のビジョン、諦めかけていた過去など包み隠さず全て書きます。
この記事をきっかけにFarveの理念を知っていただき、共感してもらえたら幸せです。
1.Farveを始めるまでの私

2021年の11月、当時23歳だった私は実家を出て一人暮らしを始めました。人生初の一人暮らしは不安もありましたが、楽しみの方が大きかったのを今も鮮明に覚えています。
実家が地方の中でもさらに田舎の方だったので、地方の中では人口が多く地方都市と呼ばれるような場所での一人暮らしにワクワクしていました。
しかし実際一人暮らしが始まると、現実が私を待ち受けていました。自由な生活を送るためのお金も時間もない。社会人になってそこまで時間が経っていなかったというのもあり、仕事も忙しく給料も安い。
部屋は散らかっていたし、インテリアは大好きだったけど家具にこだわる余裕もありませんでした。散らかっている部屋に余裕のない心、せっかくの一人暮らしを全く楽しめていなかったです。
このままじゃやばい。そうわかってはいたけど何をすれば良いかわからない。そんな時、「部屋の状態は心の状態」という言葉を聞きました。(InstagramかYouTubeの動画だったと思います。)
前述したとおりインテリアは好きだったので、部屋づくりを頑張ってみることにしました。お金は無かったけど無理をして家具を揃える決意をしました。(無理をするのはおすすめはできません、、)
無理をするにも限度があるので、部屋だけではなくお金の問題もなんとかしなければいけない私が見つけたのが「インスタグラマー」と呼ばれる人たちの存在です。
よくわからないけどインスタで投稿しながらお金も稼げるらしい。せっかくインテリアにこだわるならそれを発信すれば良いのでは?という考えになりました。
そこからは仕事以外の家にいる時間を、ほぼ全て部屋づくりとInstagramでの発信活動に費やしました。もちろんそんなに甘い世界ではなく、100日間毎日投稿してもフォロワー数は1,500人くらいだったと思います。
それでも投稿を継続できたのは、Instagramが想像以上に楽しかったからです。お金は1円も稼げていませんでしたが、見てくれる人から「参考にしています」とか「応援しています」などの声をかけてもらうのが本当に幸せだったし喜びを感じていました。
半年ほど経過すると、お金の問題は解決していないけど部屋はかなり整ってきました。理由は確信していて「部屋を好きになれた」からです。この大好きな部屋を散らかしたくないっていう気持ちが強かった。
Instagram発信の目的が「お金を稼ぐ」から、「インテリアの良さ、部屋を好きになることの大切さを知ってほしいに」変わっていくと、私の心に余裕ができたからなのか、フォローしてくれる人の数が順調に増えていき、約3年経過した今では5万人以上の人が発信を見てくれています。
2.Farveを始めた理由

Instagramで、それなりに多くの人に部屋づくり発信を見てもらえて、見てくれる人の役に立てているのでは?という自信はありました。
でもSNSではどこまで行っても「スマホ」の中の世界で、それ以上どうすれば見てくれる人の部屋づくりに貢献できるのかが難しい。
より多くの人が、私と同じように自分の部屋を好きになれて、それが部屋だけでなく日常生活にも良い影響を与えるような、そんな活動ができないか。
その答えが「自分で家具を作る」でした。
もはやインテリアオタクとなっている私がこだわって家具を作れば、一歩踏み込んで多くの人の暮らしに良い影響を与えられるのではないか。そう思ったのがFarveを始めた理由です。
3.ブランドの理念・コンセプト

Farveの理念・コンセプトは「暮らしを彩る、部屋を好きになる」です。私が本当に皆さんにお届けしたいのは、単なる家具ではなくその先。Farveの家具を使うことによって得られる「高揚感」や「満足感」です。
家具を通して、みなさんが自分の部屋をもっと好きになり、暮らしを楽しめること。たとえば、お気に入りのソファでくつろぐ時間や、美しいダイニングテーブルで家族と食事を楽しむひとときが、より特別なものになるような家具を作りたいと考えています。
そのためにデザインと素材においてのこだわりがあります。
・デザイン:「シンプルかつ存在感のあるデザイン」
部屋の中で主張しすぎず、それでいて目に留まる洗練されたデザインを追求しています。どんなインテリアスタイルにも馴染むシンプルさの中に、Farveらしい個性を宿らせることを心がけています。それは、暮らしを邪魔せず引き立てるデザインです。
・素材:「木材の温かみを感じられる素材」
素材選びもまた、私たちの家具作りの重要な要素です。自然の木材が持つ温かさや風合いは、使い込むほどに愛着が湧き、長く使うことで深まる魅力があります。その一つひとつの家具が、お客様の暮らしと共に時を重ねていけるよう、厳選した素材を使用しています。
Farveの家具を使うことで、日常が少し特別なものになる。それが私の願いです。
4.ブランド立ち上げまでの苦難

ここまでブランドを立ち上げた理由と理念をお伝えしましたが、ブランドを立ち上げるのは決して簡単ではありませんでした。
ここでは一番大変だった「発注先を探す」についてお話しします。
家具を販売したくても、私が家具職人ではないのでどこかに作成をお願いすることになります。ここがとても大切であり、一番苦労したところです。
作成をお願いする先の条件は
・実際に会って打ち合わせができる
・すでにその企業さんが作った家具を見て触ることができる
・工場を見学できる
これを満たす企業さんは本当に見つかりませんでした。インターネットで家具を作ってくれそうな企業に電話をして、ミーティングをさせていただくけど全然決まらない。ここにお願いしたい!という企業さんを見つけるまでに1年ほどの歳月を費やしてしまいました。
最終的には群馬県前橋市にある「frame」というお店にお願いすることになりましたが、frameさんとの出会いは本当に偶然でした。
なんでもない日曜日、交際相手から「群馬県におしゃれそうなインテリアショップができたらしいから行ってみよう」と誘われて行ってみたのがframeさんでした。店内が本当におしゃれで感動したのをはっきりと覚えています。
その時は家具を見ただけで特に製作をお願いしたいという話はしなかったのですが、あまりにも店内の雰囲気が私の好みだったので、ずっと発信を続けてきたInstagramのストーリーズに投稿したんです。それを見てくれた店長さんがInstagramでメッセージをくれて、「一緒に何かをやろう」という話になりました。
家具の制作先を探していた私にとってはこれ以上ない良い話。
場所も遠くないので直接会って打ち合わせできるし、オリジナル家具を作っていてそのクオリティもかなり高い。何よりframeの人たちの魅力的な人柄で「ここにお願いしたい」そう思いました。
私のわがままなお願いにも快く対応していただき、frameのみなさんのおかげで、本当に作りたい物を作ることができたと思っています。
この出会いがなければ、私はFarveを立ち上げられていなかったと思います。
5.これからのビジョン

部屋を好きになることで、部屋が整い暮らしが変わる。これは私自身が実感してきたことです。Farveの家具を手にした人が、部屋の中でふとした瞬間に「この部屋好きだな」「インテリアにこだわって良かったな」と感じられる。そんな体験をもっと多くの人に届けたいです。
もう少し具体的な手段は以下の3つです。
・テーブルや椅子などメインとなる家具を販売する。
部屋の雰囲気を一気に変える力を持つのが机や椅子などのメインとなる家具。
しかし、大型家具を製作する難しさも日々痛感しています。特に、デザイン性と耐久性を兼ね備えた製品を実現するためには、細部にまで気を配る必要があります。例えば、木材の種類や加工法、塗装の仕上げ方など、すべてが家具の雰囲気と使い心地に影響を与えます。
その全てにこだわったテーブルや椅子などを作りたいです。
・端材を使用したアイテムを販売する
家具を製作する過程で生まれる端材――これは、木材をカットした際にどうしても出てしまう余りの部分です。Farveでは、端材も「価値ある素材」と考えています。
そのため、端材を活用した小さなアイテムやトレイなどの制作・販売を計画しています。
例えば、コースターやトレー、お香たて、小物入れなど、日常で使える実用的なアイテムをデザインする予定です。これらの製品は、大きな家具と同じ素材を使って作られるため、家具と一緒に揃えることで統一感を楽しむこともできます。また、端材活用を通じて、サステナブルなブランドとしての取り組みも強化していきます。
・実店舗を持つ
実店舗を持つことは、Farveにとって大きな目標の一つです。オンラインでは家具の良さを伝える限界があります。画面越しでは伝えきれない質感や温もりを、直接触れて感じてもらえる場を作りたいと考えています。
実店舗では、Farveの家具を使ったモデルルームのような場所を設け、お客様が実際の暮らしをイメージしやすいような空間を作ります。また、家具に込めたこだわりやストーリーを直接お伝えすることで、単なる購入ではなく、ブランドの価値観や理念に共感していただくことを目指しています。
「部屋が変わると、暮らしが変わる」その力を信じて、Farveはこれからも挑戦を続けていきます。そして、家具を通じて多くの人の暮らしを彩り、幸せのきっかけを生み出す存在でありたいと願っています。